「半分は、って事は、他に何か理由があるんだろ?内に閉じ込めてないで全部教えろよ」

「……イタリアの…っ、お祖母ちゃんが……。倒れて入院したって……。私と兄貴に、会いたがってる……って」


蒼季にそんな顔で見つめられたらもう意地なんて張っていられなくて、泣きながらファビオから聞かされた事を話しだした。


「それで、行くのか?イタリアに」

「まだ兄貴とは……話し合ってない、けど。……近いうちに、行く……。クリスも、一緒に……」


蒼季がしゃがんで私の目線に合わせた。


「俺も行くから」

「……なんで?」


なんで、蒼季が?


「……お祖母さんがお前と凱を呼びつけるのは、ただ会いたいからっていう理由だけじゃ、ないんだろう?だったら俺も着いていく」

「どうして……」


なんで、分かったの?


「お前の顔を見れば分かるって。無意識に1年も一緒にいたわけじゃない。お前がどういう時にそんな顔するかぐらい分かってる」

「……ばか……」


なんでいつもその優しさを見せてくんないのよ?


今日だって、本当はクリスより蒼季と話し合いながら1日過ごしたかったのに。


後継者に選ばれたら、日本ではもう暮らせない。


その覚悟は、しなきゃいけない。



……それでも……。