もうコイツらに絡まれるのもいい加減飽きたし頭にきた。

わざわざ人様のデートをぶち壊しに来る奴らなんざ馬に蹴られてしまえ!



俺は華音を探すために席を立った。

……それと同時に鳴り響く携帯の着信音。



華音が俺に連絡してきたのかと期待したが、残念ながら鳴ったのは凱の携帯なのだった。



相手が誰なのかは知らないが、イタリア語で話す凱の顔が、いつになく真剣なものに変わっていく。



でもま、どーせヤンチャ仲間からのお誘いだろ。


意識をそれ以上奴らには向けず、それらを横目に俺はふらりと店を出た。



勿論飲み代は置いてこなかったし。


当たり前だろ。どっから情報仕入れてくるかは知らないけど、俺と華音が行く先々で邪魔しやがって気分悪いったらありゃしねぇ。


って、今日のはあいつらに邪魔されたから華音と離れ離れになったんじゃない。



春のサーキット以来またしても反省するハメになった俺もかなり馬鹿なんだけどな。



なんとかして連絡をとろうと携帯を何回もかけてはいるが、気づかないのかシカトしてるのか、全く華音に繋がらない。



……もうそろそろホテルのチェックインの時間なんだけど……。