クリス達がどうしてここにいるかなんて、そんなのどうでもいいよ。


春臣なんか、どうせ私達のジャマしに来ようとかしてたんでしょ?



………この際一緒にいてくれるなら誰でもいい。








「カノン、次に乗るのは決めてる?」

「ううん。乗りたいのはガイドブックでチェックしてきたんだけど……」


肝心の蒼季がアレだから、もう次に何に乗ればいいのか分かんないや。


「〈センターマジック〉はどう?ここで待ってる間に俺が予約チケット取ってくるよ。ちょっと待ってて」

「……待ってる……」


もうぼっちじゃないもんクリスがいるもん。


だから蒼季なんて、もう知らない!






「テラーマンションのぬいぐるみ、買う?限定だよ」

「それ!ガイドブックで紹介してたの!買うのを楽しみにしてたんだぁ!!」



フリーフォールの絶叫マシンのすぐ真下にあるキャラクターショップで、ぬいぐるみを手にはしゃいでいる私達。


本当は、蒼季とこうしていたかったのにな…。




「……アキ、アトラクションが嫌いだから逃げたんだって?」


思う存分絶叫系を満喫して、シアタータイプのアトラクションでくつろいでいると、クリスが不意に聞いてきた。


「……知らない。もうどうでもいいもん」

「どうでもよくない顔してるのに。せっかく夢の国に遊びに来てるんだから、カノンは笑ってて」



クリスがフッと微笑んだ。


なんで私の彼氏、クリスじゃないんだろ?