なんで二人で盛り上がっちゃってんの?


キイィィィィ!!!!



こいつら二人、ギャフンって言わせたいマジで!!


本当にギャフンって言ってギャフンって言わせたい!!



でもどうすれば……。



歯軋りをしながらギチギチと爪を噛んでお花畑オーラ全開の二人を睨む。


その時頭上から声が降ってきた。



「……よぉ。腐ってんな」

「あーあ。お前車に負けるほど魅力ないオンナだったんだねぇ。どんまい」

「鷹嘴が良いもん持ってるぞ。貸して貰えばー?」


鷹嘴先生、兄貴、春臣、だ。


「………あの二人に目に物見せたい。『参りました』って土下座させたい!!!!」


彼女とガールフレンドほっといて、二人揃って車にハァハァするなんて許せない!


「ならよ、雲母も出れば?このサーキットの横の小さなサーキット場でも個人運営の別のジムカーナやってんぞ?」

「私、グローブとかメットとか持ってないよ?」


運転中も規則があるって蒼季は言ってたけど。


「大丈夫だろ。あっちのは初心者も出るぐらいユルい大会だから。今から運転の仕方とかルールとか教えてやっからよ」


そう言って鷹嘴先生は瓶ビールを瓶のままラッパ飲みした。……大丈夫かな……?


「お前が乗るのはあのシビック。気楽に行けや」


ニヤリと笑う鷹嘴先生が不気味だ。とんでもないことが起きそうな予感がする。



でもっ!!あの二人には絶対負けないんだから!