月日は流れ、俺達も将来を決めなければならない次期に差し掛かった。




凱のお陰かその頃は俺も大分落ち着いていて、将来も真面目に考えるようになっていた。




俺は柄でもねぇだろうが、教職に就きたいとは漠然と考えるようになっている。



岩さんのように不良と呼ばれるガキどもを更生させるとかは考えてはいないが、少なくとも自分が受けた痛みを分かる大人になりたいと、この頃は思うようになっていた。




それには俺を心配してずっと見ていた春臣の影響もあるかも知れない。


チームの全てを凱に譲り、俺達は苦かった青春に別れを告げた。










そして更に数年後、俺が教鞭を取るようになって数年経ったある年、一人の女子生徒が俺が働く高校に入学してきた。







雲母華音。




凱の妹だ。






雲母華音もやはり凱と同じく碧眼に金髪だったが、コイツはコイツでまた誰とも違う個性を放っている。



雲母は、強い。


兄貴がああだから強くならざるを得なかったんだろうが何しろ可愛げがないくらいに強すぎる。