凱のお陰かどうかは知らないが、俺は一時期よりはマシになった。



この金髪碧眼のクソガキがやたらめったらあちこちで喧嘩してくるもんだから、俺と春臣はその尻拭いに追われまくった。



これじゃ立場が逆じゃねぇかよ。おれが暴れてぇのに何だって俺より先にてめぇが出て暴れてんだ。





凱との出逢いで、俺は変わった。



とりたてて自分より強いヤツと戦闘することしかしか頭にないこのクソガキのお陰で、おれの世界に再び色が戻ってきた。




しかも今回のは桜空の時とは違って原色に満ち溢れたけばけばしい極彩色ときたもんだ。




俺が勝負してるってのに邪魔されることも少なからずあった。




そんな時、凱は勝っても負けても気持ちよさそうに寝転んで笑っていやがる。






…馬鹿だろお前。





桜空とは違う金髪。



容姿も何もかもが違うのに、青い目だけはアイツと同じ。




アイツと同じ瞳で笑う、凱の事を何故か俺は憎めない。




むしろ凱と出会えた事で俺自身にも何だかよく分からない感情が芽生えつつあるらしい。




俺の怒りを吸収するヤツ。




それが凱という不思議なクソガキだった。