<19>
雨が降ってきたようだ。
道中、車を走らせる洋太は薄暗い空に憂鬱になっていった。
だが、それは天気だけのせいではないが。
つい先程雨の取材を終えたのだが、オカルト専門の自分にも雨の話は荷が重い物だった。
ただそれでも何か引っ掛かる物があり、今こうして悩んでいるのだが。
「かなり降ってきそうだな」
空から目を離し、前方を見たままズボンのポケットに片手を突っ込み、小型録音機を取り出した。
そして再生ボタンを押して助手席に放り込んだ。
昼過ぎなのに、空は暗く人気が少ない。
車も洋太の運転するものに他数台だけと淋しいものだった。
まあこんな天気に外に出ることを好む物好きなどそういないだろうが。
そうこう考えている内に、雨の声が録音機から聞こえてきた。
声には力が篭っていた。
「私はあの日記から妹はなんらかのウィルスにかかり、自我を失い、あんな事件を起こしたんだと思います」
ウィルス――。
確かにあの日記にはそういう単語はあったが。
雨が降ってきたようだ。
道中、車を走らせる洋太は薄暗い空に憂鬱になっていった。
だが、それは天気だけのせいではないが。
つい先程雨の取材を終えたのだが、オカルト専門の自分にも雨の話は荷が重い物だった。
ただそれでも何か引っ掛かる物があり、今こうして悩んでいるのだが。
「かなり降ってきそうだな」
空から目を離し、前方を見たままズボンのポケットに片手を突っ込み、小型録音機を取り出した。
そして再生ボタンを押して助手席に放り込んだ。
昼過ぎなのに、空は暗く人気が少ない。
車も洋太の運転するものに他数台だけと淋しいものだった。
まあこんな天気に外に出ることを好む物好きなどそういないだろうが。
そうこう考えている内に、雨の声が録音機から聞こえてきた。
声には力が篭っていた。
「私はあの日記から妹はなんらかのウィルスにかかり、自我を失い、あんな事件を起こしたんだと思います」
ウィルス――。
確かにあの日記にはそういう単語はあったが。