「こんなつもりじゃあなかった? へぇー、じゃあ私達はどうなるの。

こんな姿になった私達は! 

あんたに復讐するために得た力よ! そんな私達があんたを許すと思ってんの! 見なさいよ、皆の顔を!」

「顔?」

裕二がそう呟くと、皆一斉に仮面を外した。

一瞬梨華のような顔が出て来るのではと警戒したが、違った。

そこには――。

顔はなかった。

皆顔がえぐれていた。

顔の肉が剥き出しになり、血が垂れ落ちている。

ポタポタと。

裕二は息がつまりそうになった。

周りに並ぶ顔なしに――。

皆顔がなかった。

「じゃーあそろそろ始めようか。か、い、た、い」

梨華がそう言うとマー君達が一斉に動きだした。

鎌を裕二に振りかざしながら。

裕二はただ待つしかなかった。

頭上から降りてくる鎌の群れに。

「う、うっわあああああああー! やめろおおおおおおおー!」

裕二の叫び声に梨華の声が被る。

「すぐに殺さないよ。意識がある内に体を少しづつ解体するんだから。ねぇ、私の裕二君」

雷が落ちた時、裕二は覚悟した。

死を待つことを――。