「裕二君、みーんな揃ったね。でもねみーんな裕二君に会いたかったんだよ。

裕二君が『死ぬほど』好きだから」

梨華が嬉しそうに言う。今裕二に周りのマー君達がゆっくり迫っている。

皆鎌を掲げ、「裕二君、裕二君、裕二君」と何度も呟いている。

裕二はもはや正気を失いそうだった。

全身の震えが止まらず、汗が吹出る。

「も、もう! やめてくれ! お願いだ! お、俺が俺が、全部悪かった!」

掠れた声で必死に懇願する。もうそれぐらいしかできなかった。

逃げるにも足が動かなかった。

助けを呼ぶにも声がうまくでなかった。

ただ待つしかなかった。

俺はそういう人間だから。

でも――。

裕二は最後の力を振り絞ってもう一度懇願した。

梨華に、そして皆に。

「お願いだ! 俺は、お、俺はこんなつもりじゃあなかったんだ!」

その声は外から聞こえる雷音さえ遮ったように思えた。

それに、周りを囲んでいたマー君達の動きもぴたりと止まった。

助かった、そう思った。

が、それは間違いだった。

梨華が急に声を低めて威圧的に言いだした。