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「な、何がマイナスだ! 何が体を貰うだ!」

裕二は狂ったように笑う梨華の肩を掴んで激しく揺らした。

それでも彼女が笑い続けたため、被っている仮面を叩き落とした。

鈍い音と共に、仮面はカーペットの床に落ちた。

そして裕二は見た。梨華の顔を――。

その顔は――人間ではなかった。

小さな目がいくつもついており、それらがギョロっと一斉に動いて裕二を捉えた。

恐らく二十以上の目がついているのだろう。

顔はほぼ目で覆いつくされている。

一体、これは……なんだ?

裕二が声を詰まらせていると、梨華が全ての目で裕二を捉えたままひび割れた声で言った。

「マー君にお願いしたの。裕二君だけを見ていていたいって。裕二君から目を離したくないって。そしたら、こーんなに目くれたんだよ。ねぇ、に、あ、う、で、しょ?」

「な、な、な、なんなんだよ! お前っ、何やってんだよ!」

裕二はすっかり怯えきり、体の震えが止まらなかった。

「ひどいなー」

梨華はいくつもある目の下にある口を動かして、喋る。

「せっかくマー君信者になったのに、まだ裕二君が私を見てくれないんだ。だったら――」