いつの間に競りが終わり、値段が出ていた。

マイナス二千八百五十万と。

「な、なんだよこれ?」

なんでマイナスなのかわからなかった。

さっきまでプラスだったのに。

いやその前にマイナスになるオークションなんてないだろ? 

まさかこれもマー君の仕業なのか?

裕二が固まっていると、後ろの方で梨華が口を開いた。

「あーあ、マイナスになっちゃったね。でもね大丈夫だよ」

「何が大丈夫なんだよ!」

パソコンから離れ、ドアの前に立つ梨華に迫る。

「もうこんなことやめろ!」

「クッククク」

梨華は笑ったまま答えない。

そうおもいきやいきなりとんでもないことを口にした。

「マイナスになったから、裕二の体を貰うよ。でも皆で裕二君分けないといけないから。だからさー。

内蔵でも足でも手でも――皆で分け合うんだ、フフフッ。

皆ここに来るんだ。裕二の体を貰いに。裕二の彼女みーんな、来るよ。ここに。

だって裕二は皆に好きだって言ったんだから」