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「お、おい、おい、なんだよ、これは! なんで俺が競りにだされてるんだよ!」

ネットオークションにて自分が競り合いされている光景に、裕二は何がなんだかわからなくなっていた。

ただ、逃げ出したい衝動に駆られた。

いったいぜんたい、これは何の冗談だ。

何故に俺がオークションサイトで競りに出されている? 

そもそも人間を競りに出すなんて出来るはずがない。

まさか闇オークション? 

そんなサイトがあるのか? 

それより--。

「あれー私の裕二君どんどん値段上がってるー」

梨華が嬉しそうに声を上げる。

裕二はパソコンの画面に目が釘付けだった。

上がっている――俺の値段が。

パソコン画面の裕二の値段は凄いスピードで上がっていく。

しかも額が半端ではない。

十万二十万と上がっていく。

どうやらかなりの人が競り合っているようだ。

その様子を見ていた梨華が、甘ったるい声で言った。

「おかしいな、なんで私の裕二君こんなに値段上がってるんだろう? 私が裕二君の彼女なのに・・・・・・もしかして--」

急に凄いスピードで裕二の方を振り向き、凄む。

「裕二君嘘ついてる?」