「そうだよ、裕二君、競りだよ。ネットオークションって知ってるよね? あそこに裕二君を競りに出したんだ、見てよこれ」

そう言うと、パソコン画面を見下ろした。

裕二はさっきから気になっていた。

梨華はパソコンで何を調べていたんだ? 

梨華に促されながらパソコン画面を見る。

そこには--。

裕二の顔写真が写しだされていた。

そしてそこにはこうも記されていた。

私の彼氏、裕二君。

裕二は理解した。

今ネットオークションで自分が競りに出されていると――。

脇から梨華が可笑しそうに笑う。

「もし裕二君が私だけの物なら、誰も裕二君を欲しいはずがないよね? 他に女がいないなら、競り合うになるはずがないよね」

そう言って裕二に顔を近づけた。

「だって裕二君は私だけの物なんだから。裕二君は私が誰よりも1番好きだって言ってくれたもんね」