そこで洋太はパソコン画面から目を離し、肩の力を抜いた。
いつの間にか空気が重くなっていた。恐らくこの日記を読んでいたからだろう。この日記には何か悲しみが感じられる。
きっとそれはこれを書いた雫本人がいないからだろう。そして、雨はその悲しみを受け入れないでいられる。だから俺にこんな日記を読ませ、自分の考えを肯定したいのだろう。
--まあこれが普通の記者が思うことだろうが、うちは違う。
俺は怪奇出版の記者だ。
だから、そんな浅はかな考えを認めたりなんかしない。だから--。
洋太は少し息を吐いて楽になる。それから俯いている雨に向かって優しく話しかけた。
「大丈夫ですよ。うちは怪奇現象を主に記事にしているんですから、あなたは思ったまま話してくれるだけでいいんです」
「本当に?」
雨は顔を上げた。少しだけ元気がでたようだ。洋太は録音機の録音スイッチを押してから、メモ帳にペン先を当てた。
「ええ、雫さんがマー君に何をされたのか、またマー君信者のことなど話してください」
それが仕事なので--。
そう言い忘れたが、雨は既に話しだしていた。
いつの間にか空気が重くなっていた。恐らくこの日記を読んでいたからだろう。この日記には何か悲しみが感じられる。
きっとそれはこれを書いた雫本人がいないからだろう。そして、雨はその悲しみを受け入れないでいられる。だから俺にこんな日記を読ませ、自分の考えを肯定したいのだろう。
--まあこれが普通の記者が思うことだろうが、うちは違う。
俺は怪奇出版の記者だ。
だから、そんな浅はかな考えを認めたりなんかしない。だから--。
洋太は少し息を吐いて楽になる。それから俯いている雨に向かって優しく話しかけた。
「大丈夫ですよ。うちは怪奇現象を主に記事にしているんですから、あなたは思ったまま話してくれるだけでいいんです」
「本当に?」
雨は顔を上げた。少しだけ元気がでたようだ。洋太は録音機の録音スイッチを押してから、メモ帳にペン先を当てた。
「ええ、雫さんがマー君に何をされたのか、またマー君信者のことなど話してください」
それが仕事なので--。
そう言い忘れたが、雨は既に話しだしていた。