「ここが…今日から通う星光学園……」

そう言いながら学校を見上げた私は、高校1年の普通の女の子。

名前は若林春(わかばやしはる)
初夏の風にになびかれた髪が顔に当たって少しくすぐったい。

そう、私は家の事情により、今日この学校に転入してきたんだ。

上手く馴染めるか不安だけど、頑張ろうっと!

そんなことを思いつつ校門をくぐったらそこに見えたのはすごい数の女の子の集団。

「なんだあれ……」

なるべく厄介なことに巻き込まれたくない私は、その光景を遠目で見ながら通り過ぎようとしてたんだけど……

「なぁ、お前」

えっ…?今、なんか呼ばれた?

「だから、お前!ぼーっとすんなよ」

……明らかに私のことだよね……

その女の子たちの中心にいた人物。
黒髪に黒ブチメガネの男の子
世間的に言ったらイケメンの部類なんだろうな…
だから、あんなに人だかりが…

一人で考え、納得していたら、突然目の前にその男の子が現れたんだ