ごめんなさい。あなたを傷つけて。



「せつら…っ!今まで、本当に、あり…がとっ…!せつらのこと、いっぱいっ、い…っぱい好きだった!でもっ」

『敵うわけねーよ。睦月のことを想って自分を犠牲にして助ける、そんな無茶苦茶するヤツにさ』


陸斗、あなたはせつらに負けてなんかいなかったよ。


『だから睦月。もう何も言うな。黙ってさよなら、しよう』


「……ありがとう、今までっ…色んなこと、教えてくれて。せつら、大好きだった!」


それ以上は辛くて、あたしは自分に強制するように電話を切った。



あなたに〔ごめんなさい〕は言いたくないよ。


できれば笑って言いたかったけど。



「せつらも、幸せになってね」




小さな呟きは星が煌めく夜の空に、白く舞い上がり吸い込まれていった――――。