それから冬休みの間、夜になると必ず同じアドレスにメールを送ってた陸斗。



[昨日アイツを見て負けたと思った。多分クリスマスはアイツと過ごすんじゃね?]

[あのコーヒーショップの店員の中ではイケてる方。顔はいいかも]

[誕プレは用意した。けどクリスマスプレゼントは用意してない。1月生まれだから]

[遊びで燃え尽きる一瞬を追っかけるより、長く愛せる一生の方がいいんだよ。うるせー馬鹿]



………陸斗、せつらを見たことがあったの?

せつらのこと見て、どう思ったの?負けたと思った?



………長く愛せる一生……?


じゃあ、早く目を覚まさないと、一瞬どころか一生が終わっちゃうよ?





陸斗のメールを読む間、涙はずっと止まらなくて。


戻らなきゃ。


陸斗が待ってる。




さっきまでは、あたしが今ここにいるのは、助けてくれた陸斗への償いのためだった。



だけどそれは思い上がりでしかなくて。



あたしは今から、陸斗と一緒に歩くために側にいる。



待たせたのは、あたし?



だったらごめんね、陸斗。



今からあなたに、逢いに、行く。