「……睦月」
「芽依……?」
陸斗が事故に遇って3日目、芽依が病院まで来てくれた。
「先生達も来たんだよね?」
いくつもの管が繋がれた陸斗を、痛々しい目で見る芽依の顔も青白くて。
「………」
あたしは、誰にも何も言えない。
「これ、氷室さんから預かってきたの。栄養剤。ものすごく心配してたからね」
―――せつら。
今、あたしはせつらには会えないよ。
だって陸斗はたった一人で苦しんで戦ってるんだから。
「せつらに、連絡できないって……」
「氷室さんは分かってる。睦月が会えないってことぐらい。だから、ちゃんと食べるものは食べてよね……!」
泣きそうな顔をして、芽依は帰って行った。