はぁはぁと息をきらして《その部屋》の前に着いた。


部屋の前には女の人が一人祈るように手を組んで座っている。



前に一度だけ会ったことがある……陸斗の、お母さん……。




「……睦月ちゃん……」



あたし…陸斗のお母さんに、責められてもいい。


だからお願い。誰か陸斗を助けて。



「睦月ちゃん、陸斗は大丈夫。悪運が強い子だから」




あたしにすがりついて震える陸斗のお母さんは弱々しくて。


「ごめ……っ…なさい!ごめんなさい!」


謝っても謝りきれない。