「……ショックによるストレスが大きいようですね。安定剤を出しますから、すぐに飲ませて下さい」

「集中治療室はどちらに?」

「一階の……」



誰かの腕に支えられて、あたしは診察室を出た。


「……つき、睦月!薬を飲みなさい」




あたしの目に入ったのは、青ざめて心配そうな顔をした……お母さん。



お母さんがお茶と薬をあたしに差し出した。

手が震えて、上手くそれを受け取れない。

見兼ねたお母さんが、あたしに薬を飲ませてくれた。



「20分ぐらいで薬が効いてくるからね」


そう言ってあたしの体を椅子に座らせる。



「……り…くと。陸斗は、どこ……」

「睦月が落ち着いたら行こうね。陸斗君は、まだ集中治療室だからね」



小さな子供をあやすように、お母さんはあたしにゆっくり言い聞かせた。



「……大丈夫、大丈夫だよ、きっと陸斗君は………」

「やだ……やだっ !!」



あたしは病院の中を全力で走った。


集中治療室。




そこに、陸斗がいる。



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