「睦月、先に行っちゃうよー?」

「待って待って!もう着替えたから!」


次の体育のために着替えてから、芽依と走って校庭に向かう。


なんで冬にマラソンなんかするかな?しかも男女同じにスタートとかありえないし。

男子のコースが女子より長いのだけが、救いって言えば救いかも知れない。


学校から出て国道を走るなんて、晒し者にされてるとしか思えないんですけどねー。







マラソンのコースを半分ぐらい走ったところで、建物を補修している建設会社の車を避けた。




無理のないペースを保って走っているのに、路肩に停められたトラックが邪魔をする。





トラックを避けるため、道からはみ出したあたしの後ろから聞こえた大きな声。







「睦月っ !!」








大声に驚いて振り返ったと同時に、真横に突き飛ばされた。








舞い上がる土埃。




とどろく地響き。






土埃が晴れて、視界に飛び込んできたのは、崩れ落ちた鉄パイプや鉄板の下敷きになった―――。











陸斗。