そしてようやくスノボをレンタルしていざリフトに乗ったけど、これ、スキーと違って両足が一つに固定されてるから動きにくいよ!



リフトを降りる時は緊張してバクバクだったけど、せつらがあたしの腰を抱えて降ろしてくれた。



「ありがとー!リフト降りる時にコケたらどうしようって不安だった!」


せつらはにや、と笑って意地悪くコースの下を指差した。


「まだまだだけど。睦月が下まで降りるのに、何回コケるか賭けようか?」

「コケるどころか滑れないんですけど !?」


後からリフトに乗って来た芽依達も似たような感じでフラフラしている。


「じゃ、睦月と芽依ちゃんで、どっちが先に下まで降りられるか競争な」


そんな無茶苦茶な!



せつらは意外にもスパルタだった。


いや、サディストだった。



滑れないって言ってるのに、不敵に笑ってあたしを見ている。

でも転んだらちゃんと起こしてはくれるんだけどね!できれば転ぶ前に支えて欲しいんだけどね!




午前中にコースを何往復かしたら、あたしも芽依も何とか自力で下まで降りられるようになってきた。


風をきってスキー場を滑走するのはものすごく気持ちいい。


晴れていればもっと景色も良かったんだろうけど、あいにくの曇り空では全部が灰色の静かな世界に見える。



午後に2回ぐらい滑ったら、もそもそだった雪の降り方が風を伴ってだんだん激しくなってきた。



………吹雪っぽい。