それからキーケースのコーナーに行き、せつらが好きそうなデザインやあたしが出せそうな金額を見て、ようやく一つの品物に決めた。


ラッピングしてもらう間ほくほくしてそれを眺めていると、芽依が近寄って来てため息をついた。



「もー本当に迷っちゃうよね。自分が貰えるなら何でも嬉しいけどさ」

「だね。でもそんな時間も、わりと楽しい」


ラッピングが出来上がった品物を店員さんから渡されると、自然に頬が弛んでくる。



「……睦月、変わったね」


芽依が優しく微笑んだ。


「変わった?どんな風に?」

「つやつやのぷるぷるって事だよ!」



芽依はいつかのあたしのセリフを口にした。


潤ってるのかな、あたし。





だとしたら、それは間違いなくせつらのお陰。



この先もずっと、あたしに恋する事を教えてくれたせつらと一緒にいるんだ。



それはきっと、間違いのない選択だから。