テスト期間中はあたしも芽依も真面目に家で勉強をして、せつらとは1日に何回かメールや電話で話すだけにした。


じゃないと、逢ってしまったら離れたくないって気持ちに歯止めが利かなくなりそうで。




ようやく水曜日にテストが終わり、チャイムが鳴り響いたその瞬間、あたしは思わず手を挙げて喜んだ。


ハッと気づいて見ると喜んだのはあたしだけじゃなくて、クラスの大半が奇声をあげてテストの苦しみから解放されたのと、待ちに待った冬休みへと思いを馳せて浮かれていた。




……だけどただ一人、陸斗だけは机に突っ伏したまま、ぴくりとも動かなかった――――。






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