カウンター席の少し高い椅子に流山先生と腰を掛けると、タケくんがオーダーを取りに来た。

 「いつもの日替わりパスタで宜しいでしょうか??」

 『いつもの』ってタケくん・・・。 ワタシ、ここに来るの3回目ですけど。

 「いつも食べてる日替わりパスタが美味しいんだね?? じゃあ、それ2つお願いします」

 流山先生はタケくんにそう伝えると、『行きつけのイタリアンがあるって、何かカッコイイネ』とワタシに微笑んだ。

 流山先生、ゴメンナサイ。

 行きつけてないです。 今日で3度目の来店です。 全然カッコよくないんです。

 心の中で謝りながらキッチンに目をやった。

 カウンター席からはキッチンが良く見える。

 キッチンの中で、白木氏が楽しそうにフライパンを振っていた。