「もうね、このシゴト大好きだもん。 まぁでも、息子たちは中学くらいまで、僕のシゴトの事でいじめに遭ったりしたらしくて、すごく嫌がってたね」

 『でも、好きなシゴトだから辞められないよねー。 辞めたくないしー』と反省している様で、そんなに気にしている様子ではない流山先生。

 まぁ、息子さんたちの気持ちは分からなくはない。 思春期の男子にとって、『親がエロ漫画家』というのは、羨望の眼差しを向けられるか、バカにされるかのどっちかなのだろう。

 息子さんたちの場合は、恐らく後者だったのだろうと推測。

 「今はどうなんですか??」

 「応援してくれてるよ。  『オマエたちをいじめた奴らの親より、僕の方が何倍も金持ちだ』って言ったら『確かに』って納得してくれました」

 『えへん』と胸を張る流山先生。 いちいち可愛い。

 こんな愛くるしい父親だから、息子さんたちも怒る気もなくなるのだろう。

 「僕は何かを教える事はしないけど、盗めるモノはどんどん盗んで。 そして、篠崎さんもお金持ちになりましょう」

 「ハイ!!」

 流山先生の優しくて面白い人柄に、思い切り良く返事をしてしまった。

 少女漫画を描きたいはずなのに、流山先生と同じ畑で頑張ってみようと思わせるその話術。

 このヒト、大好きだわー。