「よーし。みんな大丈夫か?」


ハノイの明るい問いかけに一同は頷いてみせた。




先ほど一同は、荒野にぽつりと存在する町、サンドーネから少し距離を置いた平らな地面に着地したのだ。


ハノイたち飛龍は、大型の貴重な魔。
目立ってしまっては厄介なので、町から少しだけ離れた場所に降りたのだった。



「イオちゃんは本当に面白い子だねー。
あー、俺、ウルドがすっごく羨ましいわ」


もう早速人間の姿に戻ったロキは、相当イオとのフライトを楽しんだようだ。
その笑顔は輝きに満ちている。



そんなロキをちらり一瞥したエデン。
ロキに対抗心を燃やしたのか、隣に立っていたアルの肩にぽんと手を置いた。


「俺だってな、アルと色々語らったんだぜ?

な、相棒?」


「は?
相棒ってお前…」


にんまりと自分に笑いかけてくるエデンに、アルは苦笑いで返してやった。


「なんだよっ、その笑い。俺の繊細なハートを傷つけようって魂胆かっ?」

「繊細なハートって……。ああ、俺はお前が可哀想な奴に思えて仕方ないわ」


「可哀想?
俺が可哀想だって?

ああ…そうやって君のその心ない一言が、俺の繊細なハートの傷を抉るんだぜ?」


「―――お前、段々キャラがおかしくなってるぞ。
余計可哀想に見えてくるから止めとけ」


「そ、そういうアルだってなんかやけに冷静じゃねぇかよ」



なんだか勘違いなエデンと、そんなエデンを軽く躱すアル。
噛み合わない会話を繰り広げる二人を見て、イオとロキは笑うのだった。