四体のオブジェの他に目立つ手掛かりになりそうな物…。



壁一面に描かれた奇妙な壁画と言葉。



壁画は壁一面ごとに場面が異なるようで、ウェリムーザ思しき大蛇が必ず描かれている。



壁画は全部で四枚。
オブジェも四体。


これらが関わっていることはほぼ確定でいいだろう。



「ん…。オブジェと壁画が謎解きに関係があるのはわかった。

後はどうヒントを繋げていくかだよね」



イオはオブジェをよく観察している。


四体はとぐろを巻いており、共に左巻き。
違いはやはり瞳の宝石の色くらいしかないようだ。




「―――案外軽くて動くのかも…。
よく有りがちだしな仕掛けだし」



イオは一番左の赤い瞳のオブジェを駄目もとで手前に引っ張ってみる。
せっせと引っ張ってみる。





―――――――。


しかし予想に反し、びくともしないオブジェ。


イオは儚い願いを込めて残りの三体も手前に引っ張ってみた………が、結果は同じだった。





「ウルドー。オブジェびくともしない…。

壁画の方はどう?」



イオの呼び掛けに壁画を調べていたウルドも結果報告をする。



「壁も押したけど、びくともしなかった。


ただ壁画のウェリムーザが少し気になるんだ…。

瞳の所に窪みがある。
何かはめるような…」




そこまで言うと、ウルドは壁画をじっと観察した。