「この先、英国国教会はどうなってしまうのでしょう…」

ランスロットの手当てを終えたシスターが俯き加減に呟く。

「ヴァチカンからの通達通り、弱者弾圧の文化を下地に持つ教派として、英国国教会は粛清される運命にあるのでしょうか…」

「……」

アロンダイトを手にし、ランスロットは立ち上がる。

「世界に数多宗教が存在する以上、他所より己が優れているとするのは仕方のない事…何を信じるかは個々に託される…しかし、だからといって己の信じるもの以外が異端であり、弾圧の対象であるというのは危険な思想だ。宗教の自由を脅かす邪悪な思惟に他ならない」

だから屈する訳にはいかない。

少数派だろうと、ヴァチカンが圧倒的な戦力を持っていようと。