「…ヴァチカンを離反したそうですね」

カタリナが言う。

「何故です?唯一神と同一の存在とまで言われる貴方が、何故…」

「君も薄々気付いてはいるんじゃないか?」

彼女の問いに、ヘヴンは返す。

「今のヴァチカンはおかしい…メサイア司祭の英国国教会及びプロテスタント粛清の令といい、ローマ教皇行方不明といい…」

「…!…教皇様が?」

ヘヴンの言葉にカタリナは驚愕する。

「嘘だと思うならばサン・ピエトロ大聖堂に戻って自らの目で確かめてみるといい…尤も…」

ヘヴンは表情を強張らせる。

「今のサン・ピエトロ大聖堂は、伏魔殿だがな」