「きゃああぁあぁあぁっ!」

ヘヴンはファティマの肩から聖釘を引き抜いた!

そしてその傷に、持っていたハンカチをあてがう。

「じっとして…そう深くは刺さっていないから、押さえていれば血は止まる…後はしっかりと手当てをしてもらう事だ」

「へ、ヘヴン…」

今にも泣きじゃくりそうな顔をしてヘヴンを見上げるファティマ。

「裁く事が俺の役目ではない…そして主は、どのような咎人でも許される…それでも罪の意識を感じるというのならば…」

ヘヴンは立ち上がった。

「悔い改め、その能力を葬り去った数以上の人々の為に使う事だ」