そんな彼女の前に。

「ひっ…!」

ヘヴンは立ちはだかる。

すっかり無力となったファティマは、その姿に怯える。

「ね、ねぇヘヴン…私、怪我してるの、ほら、こんなに血が出て…痛そうでしょ?これじゃ戦えないよね?もう痛くて立つ事も出来ないの…もう私の負けでいいから…ね?やめてよ、これ以上痛い事しないで」

あまりにも勝手な言い分。

かつて彼女に倒された者達は、これ以上の命にかかわる傷を刻み込まれたというのに。

返事すらしないまま、ファティマに歩み寄るヘヴン。

「ねぇ、もう許してよ…痛いの嫌だよ…」

瞳を潤ませて懇願するファティマに言葉すらかけず。