「今、ネット学校新聞で私たちのことが噂になってるのは知ってるわよね?」
オレは、無言で頷く。
「なら、あの新聞を作ってるのは、生徒会長だってことも?」
「・・・あぁ。」
一体、何が言いたいのか。
「あなたに、謝らなければいけないことがある。」
「キスの事なら、謝るなよ?アレは事故だったんだからな。」
むしろ、アレはオレが謝らなければいけないことだ。
香我美の足下に弾丸を撃ちつけたのはオレなのだから。
「違うの。それじゃない。」
・・・?
「私は、香我美財閥の一人娘。」
「知ってる。それくらい、名字を聞いただけで誰でも分かるだろ。」
世界三大財閥の一つとも言われている、大財閥だから。
「・・娘、だから、絶対に婿をとらなくてはいけないでしょう?」
それは、そうだろう。
女が跡継ぎだなんて、聞いたことがないから。
「私には、生まれる前から婚約者が決められている。」