意識が遠のいっていって。

あ、このまま死ねるんだ。
と思ってた。

ずっと死にたいって
思ってたから。

なのに急に体温が感じられるように
なっていったんだ。

「 なんで? 」

そこにいたのは思いがけない人
だったんだ。

「 おい、なにやってんだよ!?
  なんで死のうとしてるんだよ!? 」

うるさいな・・
そこにいたのは現彼氏の春哉。

「 おまえが死んだら
   俺の気持ちどうなるんだよ!? 」

 え?なにいってんの?春哉?
 意識がほぼない状態で。

「 俺お前のことずっと好きだったんだよ」

 急な言動だった。私は驚きを隠せず
 意識がない状態をよそおっていたけど無理だった

「 今なんて・・?」

「だからお前がすきなんだよ。」

いつもの春哉じゃないような真剣なまなざしで。

春哉は幼馴染だったから好きなんていう
感情が全然なかった。
だって近くにいた存在だったから。

近くにいるのが当たり前で。
離れていったら私どうなるのかな?
なんて。

博人の話したときも嬉しそうに
自分の子とのように喜んでくれた

なのに辛かったの?
あたしが博人と付き合ったから。
なのにまだおっかけてくれてたの?

「あたしも好きだよ。」

思わず発してしまった。
好きでもないこの感情を
博人にふられたままの好きな感情を。
春哉に発してしまったんだ。

「うそつくな。無理すんな。」

その言葉がどんなにあたしを軽くしたのか。

「ふっふええええええん」

私はとっさに泣き崩れた。
もう顏もぐちゃぐっちゃで。
原型とどめてなくて。
でも春哉はずっとそっと抱きしめてくれた。

赤ちゃんのように泣き崩れた私は
春哉の膝の上で寝てしまったんだ。

そのとき春哉の唇がふれていたこと
私はわかった。