「バンド?別にあたしはいいよ、ベースなら家に昔お父さんが持っていたのが一台あるし」
マイの返事は意外にもあっさりしたものだった。
彼女の父親はベース経験者で、少しくらいなら弾けるんだとか。
「やったー!」
私たちは周りも気にせず、ただただ嬉しさに任せて喜んだ。
こうして話している時間はとても楽しい。
まるで中学校に戻ったようだ。
「でも、ドラムはどうするの?」
マイが騒ぐのを制すように尋ねる。
確かに、ドラムがいなくてはバンドを組むことはできない。
私とマイが顔をしかめてうなっていると、ミキがニタリと誇らしげに笑った。
「ドラムはあたしに任せて。すっごくうまいやつがいるから、誘ってみるよ!」
このミキの言葉を最後、私たちはドラムのメンバーに会わないまま結成日を迎え、今に至るという訳である。
「ねー、ドラムの人いつ来るのかな?」
マイはたっぷり入ったコーラをぐいと飲む。
「たぶん、もう来るよ」
気のせいかミキの顔がすごく嬉しそうに見えた。
「わりぃ、遅れたっ」
その声と共に現れた人物を見て、私とマイは思わず目を見張る。
「遅いよー、もう先に乾杯しちゃった!」
ミキのそんな声もほとんど耳に入らない。
目が点になるとは、まさにこのことだと思った。
「ドラムって…男の子だったの?!」
マイが問いただすように隣にいた私に小さな声で詰め寄る。
私だってドラムが男の子なんて一度たりとも聞いていない。
しかも、こんなにかっこいい男の子が来るなんて予想外だ。
茶に近い柔らかそうな髪に、整った顔立ち。
身長も私より頭一つ半くらい高い気がする。
「ミキ、聞いてないよっ」
と、今度はミキに詰め寄るマイ。
そういえばマイは昔から男の子が苦手だった。
今までずっとマイと一緒にいたが彼女が男の子とまともに話している姿を見たことがない。
「マイ、モモ、紹介が遅れてごめんね」
「神崎雄也です、ユウって呼んで下さい」
ニコリと笑った顔は下手な芸能人よりも輝いているんじゃないだろうか。
「とにかく、これでバンドメンバー勢揃いってことで歌うぞー!」
ミキのその一言でカラオケ大会開始。
ユウは私の隣に座った。
マイの返事は意外にもあっさりしたものだった。
彼女の父親はベース経験者で、少しくらいなら弾けるんだとか。
「やったー!」
私たちは周りも気にせず、ただただ嬉しさに任せて喜んだ。
こうして話している時間はとても楽しい。
まるで中学校に戻ったようだ。
「でも、ドラムはどうするの?」
マイが騒ぐのを制すように尋ねる。
確かに、ドラムがいなくてはバンドを組むことはできない。
私とマイが顔をしかめてうなっていると、ミキがニタリと誇らしげに笑った。
「ドラムはあたしに任せて。すっごくうまいやつがいるから、誘ってみるよ!」
このミキの言葉を最後、私たちはドラムのメンバーに会わないまま結成日を迎え、今に至るという訳である。
「ねー、ドラムの人いつ来るのかな?」
マイはたっぷり入ったコーラをぐいと飲む。
「たぶん、もう来るよ」
気のせいかミキの顔がすごく嬉しそうに見えた。
「わりぃ、遅れたっ」
その声と共に現れた人物を見て、私とマイは思わず目を見張る。
「遅いよー、もう先に乾杯しちゃった!」
ミキのそんな声もほとんど耳に入らない。
目が点になるとは、まさにこのことだと思った。
「ドラムって…男の子だったの?!」
マイが問いただすように隣にいた私に小さな声で詰め寄る。
私だってドラムが男の子なんて一度たりとも聞いていない。
しかも、こんなにかっこいい男の子が来るなんて予想外だ。
茶に近い柔らかそうな髪に、整った顔立ち。
身長も私より頭一つ半くらい高い気がする。
「ミキ、聞いてないよっ」
と、今度はミキに詰め寄るマイ。
そういえばマイは昔から男の子が苦手だった。
今までずっとマイと一緒にいたが彼女が男の子とまともに話している姿を見たことがない。
「マイ、モモ、紹介が遅れてごめんね」
「神崎雄也です、ユウって呼んで下さい」
ニコリと笑った顔は下手な芸能人よりも輝いているんじゃないだろうか。
「とにかく、これでバンドメンバー勢揃いってことで歌うぞー!」
ミキのその一言でカラオケ大会開始。
ユウは私の隣に座った。