「…龍ちゃんは、10年振りに会えて嬉しくなかった?」 小雪の大きな目にはうっすらと涙がうかんでいた。 「まっ待てよ!泣くなって!嬉しかったよ!嬉しくないわけないだろ!」 小雪の涙に俺は慌てて言葉を並べた。 「…その、連絡取り合うのは壮太で十分だと思ったから」 俺は再び窓を見ながら小さく呟いた。 「…龍ちゃんのばか。壮ちゃんの所にはほぼ毎日行くクセに。」 小雪は涙を拭きながらそう呟いた。