その大きな声は響いた。
周りにも、何より俺の心の中に響いた。
壮太の主張がクラスのみんなに響いたのか、俺はシカトされることなく普通に教室で過ごせた。
…女子からの冷たい視線は結構長く続いたけれども。
みんなから無視されてもいい。
わかってもらえなくてもいい。
いつもそう思うことがあった。
…なのに、いつもそんな俺をほっとかないヤツがいる。
壮太はいつも、俺の事をお見通しで
笑いかけてくる。
その笑顔にどれだけ救われたか。
ある時、ふっと壮太に言われた事があった。
「お前はさ、いつも誤解されちゃうんだよな。いいやつなのに。だから、俺が近くにいてその誤解を解いてやらなきゃいけないんだよなー。
お前に彼女が出来てケンカしたときとか?お前が結婚して嫁さんが離婚する!って騒いだ時とか?」
そう言って壮太は笑った。
俺は
「うるせー」
と言いながらも内心泣きそうだった。