「龍一君。これ、バレンタインのチョコ。…あのね、付き合って欲しいの。」
小学生ながらに上目遣いでそう言ったすみれをよく覚えている。
…これが女子というものなのか。
「あー…悪い。無理。チョコも受け取れねーよ。」
小学5年生の俺には女子というものが良くわからなかった。
…小雪以外は。
ましては付き合うなんて、何をすればいいのか?何を楽しみにするのか?
そんなんより、校庭でサッカーしてる方がうんと楽しかった。
なので、俺は戸惑いもせずにハッキリとそう言った。
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