「龍!せっかく3人揃ったのにどこ行くんだよ!」


壮太の声に小雪もこっちを振り変える。


「あ、いや…。その、トイレ…」

俺がそう言いかけると


「嘘だ。龍はいつもそうやってコッソリいなくなる。…そういうのやめてくれよ。」



壮太の悲しげな顔を見て俺は胸がひどく痛んだ。


「龍ちゃん。こっちきて。」


小雪が俺をまっすぐ見てそう言った。


2人に近づくと小雪はすぐに俺の右手を掴んだ。


そして、壮太の左手に俺の右手を重ねてそれを小雪が両手で包み込んだ。