「やだよー。龍ちゃんと壮ちゃんから離れたくないよー。」


「僕だって、小雪と離れたくなーい。」


俺以外の2人はびーびー泣いていた。


俺だって悲しかった。だけど素直になれなかった。

「壮太!男のくせに泣くんじゃねぇよ!小雪も!泣いたって引っ越しがなくなるわけじゃねえ。俺たち子供は無力なんだよ。」


と、小学1年生らしからぬ大人びた発言をしていた。


「…じゃあ、大人になればまた3人で会える!?」

小雪は泣いたまま、そう目をパチパチさせながら俺に聞いてきた。


「…まぁ、大人になればそんなのいくらだって自由に出きるだろ。」

そう俺が言うと、壮太がすかさず

「あと何年したら大人になれるの!?」


と、聞いてきたので

「…10年後とか?16歳とかもう大人じゃね?」



俺が適当に言った
「10年後」が、俺達の大切な約束になった。