「俺こそごめん。どうしても言い出せなくて…龍にもしんどい思いさせたよな。」 そう言って壮太は俺の方を見た。 「…何言ってんだよ。壮太は悪いことなんて何一つしてねーだろ…」 俺は自分の無力さを改めて感じて、そう呟くのが精一杯だった。 俺たちの後ろで、壮太のお母さんが鼻をすすっているような声がした。 …泣いているのだろうか。 壮太のお母さんはそのままそっと病室を出た。