しばらくケータイをいじってて俯いてたその子が急にパッと顔を上げた。


すぐそばまで来てた俺は思わず足を止めてしまった。


くっきりした二重で、顔全体のパーツが整ったまるで人形みたいな顔だちだった。
肌が真っ白で、背も小さくて。
花柄のワンピースに厚めのロングニットを着ていた。


女の子はじっと俺を見ていた。


そしてそっと

「…龍ちゃん…?」


彼女は恐る恐るそう言って俺を見つめた。