「…誰にも言うわけないじゃん。」
少しトーンが下がった小雪の声が聞こえてきた。
俺はふっと小雪の顔を見た。
真っ赤で、少し泣きそうな顔をしていた。
「…私の中で本当に大切なのは龍ちゃんと壮ちゃんだから。だから、2人には甘えちゃうし子供の頃みたいにイタズラとかもしちゃう。…でも今、思ってみれば龍ちゃんからしたらあんまりいい気持ちしないよね。…もうしないから。」
小雪はそう言うと、テーブルに着いていた肘に顔を埋めてしまった。
…泣いてる?
俺は一瞬でプチパニックになった。
「違っ…ごめん、そういうつもりじゃなかった。…泣くなよ、小雪。」
俺は慌てて小雪を見ながらそう言った。