「これって恋なのっ?!」


『や、あたしに聞かれてもわかんないけどさ…』


「えええ……」



それじゃ、あたしにもわかんないよぉぉ…



『恋っていうのはさ、その人のことを無意識に目で追ってたり、気付いたらその人のこと考えてたり…。

胸がズキズキして、ドキドキして。

今の姫那みたいに、その人の事で頭がいっぱいになっちゃうの』



「ふぅん…」



あたし、恋した事ないから
あんまりピンとこないなぁ……


「でもさ、あたし豹先輩と昨日初めて喋ったばっかりだし…。
まだ恋とかわかんないなぁ」


『ま、急がずゆっくり考えなよ。片桐先輩の言葉通り、惚れさせてもらっちゃえ〜♪』


「ちょっ……鮎夏ぁ!///」


でも、あたしが文句をいう頃には電話は既に切れていて。



「うー… 鮎夏のばか…」





恋……かぁ。


結局その日は、眠りにつくまであたしの心臓は静かになってくれなかった。