20分ほど、先輩の隣で電車に揺られて
辿り着いたのは、水族館だった。
「水…族館……?」
「ああ」
す………水!族!館!
「あたし……はじめて」
ずっと来てみたかったの!
ウキウキと心躍らせるあたしの手を、先輩がキュッと握り直す。
「よかった」
入り口でパンフレットをもらって、人の流れのままに中に入る。
「きゃあ!かわいい!!!輪っか作ってるかわいい!!!」
「うわあ、おっきい!!あんな小さい魚といたら、食べられちゃうよ」
「すごーい!お腹に魚がくっついてる!」
すごい。こんなに大きい水槽があるなんて。
みんなキラキラしてて、自由に泳いでいて。
「姫那、元気すぎ」
豹先輩がクスッと笑う。