「いってきます!」
笑顔で返事を返すと、ヒロは一瞬だけ笑って家に入った。
ふふっ、笑ってくれた〜!
ちょっと緊張がほぐれた気がする。
歩き始めた先輩について行く。
隣の先輩を見ると、黒いPコートに灰色のVネックセーター、黒いスボンとシックな感じ。
………かっこいい!
だめだまた緊張してきちゃったよ!どうしよう!
「……さっきの、誰?」
ふいに、先輩が聞いてきた。
「さっき…?あ、ヒロのこと?」
聞き返すと、手を握られた。スッと恋人繋ぎをする先輩にドキドキする。
「ヒロはね、私のお兄ちゃんだよ」
「…………だよな。よかった」
はあぁぁぁと先輩がため息をつく。