「どちら様ですか……」
いや、ヒロ、無用心だよ!
まずインターホンに出て人確認しなきゃだめだよ!
あ、でもヒロ強いからそんなの関係ないか!総長だもんね!
………ってそうじゃなくてえぇぇ!!!
盛大に焦りながら急いで靴を履く。
玄関にある鏡でもう一回前髪を確認して、ドア枠に手をついているヒロの腕の下をくぐって外に出た。
階段を降りて豹先輩のところに行くと、びっくりしたような顔で固まってヒロを見てる。
「…………彼氏?」
特に驚いた様子もなく、ヒロが言った。
「……っあ、はい。お付き合いさせていただいている、片桐豹です」
ヒロは黙ったまま豹先輩をじっと見つめると
「……いってらっしゃい」