「今日、教室にいた奴ってさ……友達?」
ケーキを食べながら、先輩が聞いてくる。
「うん。藍堂 要くんていうの。鮎夏と同じ中学だったんだよっ」
藍堂くんを、簡単に紹介する。
「姫那さ……俺以外の男の前で、油断するなよ?」
豹先輩が、あたしの瞳を見つめて言う。
「油断……?」
「そう。姫那かわいいから、周りの男に狙われちまう」
かわ…いい……?
カ ワ イ イ ? ?
みるみる顔が熱くなる。
鮎夏にも同じことを言われたけど、
なんだか全然ちがう。
すごく……嬉しい。
「分かった…。気をつけるね」
胸がドキドキ鳴っていて、そう返事するだけで精一杯。