驚いたような顔をして、姫那が俺をみる。
「ちがうよっ!あたしは、鮎夏と馬服先輩に…」
「それ以上徹の名前出したら、怒るよ?」
あたふたとする姫那を抱きしめる。
「豹先輩っ…?」
「姫那の口から俺以外の男の話なんて、ききたくない。
姫那には、俺だけみてて欲しい」
姫那の顔を覗くと、真っ赤っか。
「俺の我儘……きいてもらえる?」
姫那は俺のからだにその華奢な腕を回して、抱きしめて呟いた。
「そんな我儘言わなくたって、
あたしは先輩しか見えてないもん。」
これは…やばい。
彼女にこういうこと言われるのって……
こんなに嬉しいもんなんだな。