部屋のものはピンクで統一されていて、それでいてシンプル。
ぶりぶりってわけでもなくて…
姫那らしい。
「……我儘言って、ごめんなさい…」
「俺は姫那に我儘言って欲しい。
溜め込んでほしくないしな。
……何でも言えよ?」
姫那はこくんと頷く。
「あの…ね、さっき鮎夏が教室に戻ってきた時に、馬服先輩と帰る約束してたみたいなの…」
「俺も、徹から聞いた。あいつめちゃめちゃ喜んでた」
「うん。鮎夏も嬉しかったみたいで…
馬服先輩に想われて、鮎夏も幸せそう」
姫那が嬉しそうに微笑む。
でも。
「姫那、今、徹のこと考えただろ?」
「えっ…!?」